大事に長く使うコツ

軽くて履きやすい桐下駄が自分の足に馴染めば馴染むほどお気に入りの一足になってくることは間違いありません。ただいつも履いている人ほど消耗が激しくなるのは避けられないことですし、大事に履いている人はもっと長く大事に使いたいはず。
そんな時に役立つちょっとした手入れや履き方のコツをお教え致します。

台に合った履き方を

台には主に白木タイプ、焼きタイプがあります(桐箪笥と同じ砥の粉仕上げのものも一部にあります)。焼きタイプは表面に焼き色を付けた上で透明な塗装を施しツヤがあります。逆に白木タイプは桐そのものの風合いを生かした砥の粉仕上げのものです。

どちらも肌に優しい桐のよさが生かされていますが、白木タイプは表面が無加工なので基本的には足袋などを履いた上で使用することを想定されています。白木タイプを裸足でずっと履いていると少しずつ黒ずんできます。逆に焼きタイプは色が付いている上に塗装されておりますので裸足での使用も全く気になりません。

気になさらない方は構わないのですが、普段から裸足での使用を考えておられる場合は焼きタイプをお勧め致します。

水に濡れた場合の手入れ

桐下駄は水気を嫌います、また鼻緒に汚れが付くと染みになったり形が崩れたりする場合がございますのでなるべく水には濡らさないようにして下さい。
水に濡れて汚れた場合は固く絞った雑巾で拭いてから風通しのよいところで乾燥させて下さい。

下駄に左右はあるか

女性用のミュール下駄を除き、下駄に一般的な靴のような右足用、左足用という区別はございません。
人によって体重のかかり方が違いますので、両方で磨り減り方が違ったり鼻緒の形にくせが付く場合があり、それを防ぐためには適当に左右を交互に履き換えてご使用頂くとちょうどバランスが取れていい感じになります。

「買い替え」より「買い足し」を

桐下駄が非常に気に入って下さり毎年ご注文頂くお客様にお勧めしているお気に入りの桐下駄を長持ちさせるコツがあります。

一定の間隔で買い足すことだからできることではありますが、新しい桐下駄を買ったら足に馴染むまでは古いものを中心に履き、徐々に慣れてくる頃新しい方を多めに使うようにすると古いお気に入りの下駄を長く使うことができ、新しい下駄の消耗も少なくて済みます。
これは桐下駄に限った話ではありませんが、消耗し切るより少し前に買い足した方が結果的に両方を長く使えます。

新しい下駄はまた別の形や色の台を試してみるのもいいですし、さらに桐下駄が楽しいのは新しい下駄を買う際に、緩んだ鼻緒を締め直したり新しい鼻緒を付けることで古い下駄をリフレッシュさせることもできることです。
「買い替え=古くなったものを捨てる」より「買い足し=新しいものを混ぜて全体で長持ちさせる」というのはものを大事にしていた昔ならではの感覚だと思います。

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